キューティクルリムーバーの使い分け

甘皮を即時に柔らかくし、メタルプッシャーやニッパーで取り除きやすくする
キューティクルリムーバーの成分の中には水酸化カリウムやラウリル硫酸ナトリウムが
含まれておりいずれもタンパク質に対して腐食性があります。
爪は一見、硬く強靭なプレート状の組織の様に見えますが、
その表面は数十ミクロン程の平板状の角質(タンパク質)とその隙間を埋めている水分や脂質から構成されている複雑で繊細な組織です。

(健康な爪を1000倍にしたもの)
板状の組織が積み重なっている角層の隙間に角層間脂質があり、これは脂質(油分)や
水分が角層を繋ぐ役割をしています。爪の角層間脂質は皮膚に比べると10分の1しか
ありません。爪は13~17%の水分を含んでいると、割れにくく、折れにくくなります。
キューティクルリムーバーを過度に使用するとこの大切な角層間脂質が水酸化カリウム、
ラウリル硫酸ナトリウムによって奪われてしまいます。
元々のお爪が硬くて丈夫な方なら多少の問題はないと思いますが
生まれつき弱いお爪の方、繰り返しのアセトンオフで痛んだ状態ではあまり過度に使用しない方が
良いと考えております。
下記の写真は上の健康な爪に水酸化カリウム、又はラウリル硫酸ナトリウムの含む
キューティクルリムーバーを塗布し1分後に撮影したものです。

(水酸化カリウム) 1000倍

(ラウリル硫酸ナトリウム) 1000倍
いずれも角層間脂質が乱れてしまっているのがわかります。
角層間脂質が乱れるとジェルの持ちも悪くなってしまいます。
ルビーでは爪を痛めない為にキューティクルリムーバーの使い分けをしています。
基本的にはマシンによるドライでルースキューティクルの取り除きを行いなすが
必要な場合は専用の保湿ローション(Spa Luce)で「保湿」という角度からアプローチし甘皮を柔らかくしお湯でふやかしてガーゼとニッパーで甘皮周りを綺麗にケアして行きます。